組員の暴力団離脱へ専用相談窓口を設置…北九州市、就労や就職に伴う引っ越し支援
北九州市は15日、暴力団員の離脱、就労の相談や支援を行う専用窓口を同市小倉北区の市役所本庁舎内に開設した。特定危険指定暴力団工藤会などへの取り締まりが強化されるなか、組員の離脱・就労を後押しする。
窓口は「市安全・安心相談センター」内に設置。福岡県警OBの市職員3人が相談員として配置され、離脱を希望する組員や家族らからの相談に応じる。離脱後の報復が懸念される場合などは就職先を紹介する県警や県暴力追放運動推進センターと連携し、市外の協賛企業を仲介してもらえるよう橋渡しも行う。
市は、市外への就職に伴う引っ越し費用の4分の3を20万円を上限に協賛企業に対して補助。市内の協賛企業が元組員を雇い入れた場合、30万円を上限に業務に必要な資格を取得させるための費用の4分の3を補助するなど、受け入れ企業への支援も強化する。
工藤会を巡っては、福岡県警がトップらを逮捕する「頂上作戦」をきっかけに、組員の離脱が相次いでいる。市は、元組員が就労し、再び組織に戻らない環境を整えることで、「暴力のない安全・安心なまち」の実現を推し進めたいとしている。
この日は、同市の北橋健治市長が「暴力団社会復帰相談」と書かれた窓口の案内板を設置。市内の組員らに対し、「自分のため、更生を願う家族のためにも、ぜひ新しい一歩を踏み出してほしい」と呼びかけた。
読売新聞