神戸山口組組長らを提訴 特殊詐欺の被害者、使用者責任問う

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神戸山口組組長らを提訴 特殊詐欺の被害者、使用者責任問う

指定暴力団神戸山口組系の組員が主導する特殊詐欺グループに現金をだまし取られたとして、京都府などの80代女性6人が11日、神戸山口組トップの井上邦雄組長ら3人に対し、総額約645万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした。  

訴訟は暴力団対策法に基づき、事件には直接関わっていない暴力団トップに代表者としての使用者責任を問うもの。各地で特殊詐欺被害が相次ぐなか、代理人の和田敦史弁護士は「暴力団の大きな資金源と言われている。泣き寝入りをせず、被害回復を求めることが新たな事件の抑止になるとの思いから訴訟に踏み切った」と説明している。  

訴状によると、女性6人は2019年9~12月、警察官などを装う人物から電話を受け、キャッシュカードを渡して現金をだまし取られる被害にあった。これらの事件で、神戸山口組系組員が詐欺罪などで起訴され、今年1月、懲役5年の実刑判決を京都地裁で受けた。  

女性らは、この組員が暴力団の立場を利用し、グループのメンバーに詐欺の実行を指示するなど中心的役割を果たしていたと指摘。井上組長らは神戸山口組の運営を支配する地位にあり、組員とともに賠償責任を負うと訴えている。  

特殊詐欺事件をめぐり、暴力団トップの使用者責任を問う訴訟は、昨年3月、指定暴力団住吉会の会長らに約605万円の賠償を命じる判決が最高裁で確定している。

朝日新聞デジタル

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