全国ATM不正引き出し事件 主導役に懲役13年 福岡地裁判決
2016年5月に全国17都府県のコンビニエンスストアの現金自動受払機(ATM)から18億円超が不正に引き出された事件で、主導役として窃盗や不正作出支払用カード電磁的記録供用罪に問われた井上勇被告(44)に対し、福岡地裁は17日、懲役13年(求刑・懲役15年)を言い渡した。
溝国禎久裁判長は「周到な準備と計画の下で実行された大規模な組織的犯行で、起訴された中で最上位者として関与した刑事責任は非常に重い」と述べた。
公判で井上被告は「(仲間と)共謀していない」と無罪を訴えた。しかし、溝国裁判長は、暴力団関係者とされる井上被告の指示で金を引き出す多数の「出し子」が広域にわたってほぼ同時に現金を引き出すなどしており「共謀共同正犯は成立する」とした。
判決によると、井上被告は16年5月、仲間らと共謀し、南アフリカの銀行のデビットカード計76枚を偽造し、福岡、佐賀、長崎、千葉の4県のコンビニ店などで計9590万円を不正に引き出し盗んだ。
毎日新聞