「人脈生かした」工藤会系組員、覚醒剤590キロ密輸で「重要な役割」…懲役14年判決
熊本県天草市で覚醒剤約590キロ(末端価格約350億円)を密輸しようとしたなどとして、覚醒剤取締法違反などに問われた特定危険指定暴力団工藤会(本部・北九州市)系組員の男(42)(千葉県市川市)の裁判員裁判で、福岡地裁(武林仁美裁判長)は13日、懲役14年、罰金300万円(求刑・懲役15年、罰金300万円)の判決を言い渡した。
判決によると、男は台湾人や日本人と共謀し、2019年12月、東シナ海の公海上で船籍不詳の船に積んだ覚醒剤を共犯者が乗る船に積み替え、天草市に陸揚げして密輸しようとするなどした。
武林裁判長は、共犯者の供述などから、男が知人の暴力団関係者に連絡し、日本人乗組員の手配などを行ったと認定。「自身の人脈を生かして重要な役割を果たした」と指摘した。
事件を巡っては、日本側と台湾側のメンバー約20人が逮捕され、工藤会や指定暴力団住吉会(本部・東京都港区)の関係者も含まれていた。
福岡県警などは特定抗争指定暴力団山口組(本部・神戸市)系の元組員の男(41)が主犯格とみており、今年1月、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕状を取っている。捜査関係者によると、山口組系の元組員の男は中国に潜伏しているとみられる。
読売新聞