維新・遠藤氏が代表 公益社団法人「秋田犬保存会」副会長と山口組幹部との親密写真
日本維新の会の遠藤敬・国会対策委員長(53)が代表理事を務める公益社団法人「秋田犬保存会」。同会を巡っては、主催する展覧会で不公平な審査が行われているなどの指摘が内部から相次いでいるが、さらに、秋田犬保存会の川北晃右副会長が山口組系暴力団の組長と親密に交際していた疑いがあることが、「 週刊文春 」の取材でわかった。川北氏と組長が写った写真を複数入手した。
遠藤氏が秋田犬保存会の代表理事に就任した2016年、川北氏も副会長に就任した。
「川北氏は遠藤氏の“右腕”。都内でうどん屋などを経営している資産家です」(保存会関係者)
その川北氏は、山口組直系団体「司興業」の森健司(本名・森健次)組長と親密な関係にあるという。司興業は1967年に司忍・山口組組長が創設した団体で、森氏は司氏の側近として知られている。
2人の関係を知る知人が言う。
「川北さんは森さんを『会長』とよび、仲の良い友人関係にあります。柴犬をあげたこともあったし、よく食事もしていた。森さんは2014年末に川北さんの店の前で行われていた餅つき大会にも出席。川北夫妻からは『森さんの写真はSNSに掲載しないように』と言われた。また、保存会の展覧会を一緒に見に行き、森さんのところの若い衆が炊き出しもしていたこともあった」
「週刊文春」は、川北氏と森氏が写った写真を入手した。森氏が秋田犬を抱え、微笑む傍らで、川北氏も笑顔を見せている。この写真は、川北氏と親密なブリーダーが5年ほど前に撮影し、会員らに送付されたものだ。
2014年に撮影された別の写真では、熊本県での展覧会後、ブルーシートの上で川北氏と森氏が食事をしている姿が写されている。
暴力団排除に詳しい疋田淳弁護士が語る。
「暴力団員と知りながら定期的に会ったり、飲食したりすれば、各都道府県の暴力団排除条例違反(社会的に非難される関係)に当たります。条例上の暴力団関係者と見なされ、所属する組織は、助成金の交付の取りやめなども想定されます」
川北氏、森組長は「情を持った人だよ」
川北氏に尋ねた。
――森組長と餅つきや、展覧会も一緒に。柴犬もあげた?
「ちょうど餅つきをやっていただけ。(展覧会は)そうだろうな。(柴犬は)あげたかもしれない」
――副会長就任後も関係は?
「そりゃあるよ。(森は)犬が死んだって凄く泣いていた。情を持った人だよ」
――近年も逮捕歴がある。
「(会員には)そういう人たちも多いじゃない」
遠藤氏にも話を聞いた。
――川北氏との付き合いは?
「もう30年くらいやと思います」
――副会長が暴力団と交際するのを容認する?
「いや、容認できないでしょう。うちの会は昔から(暴力団関係者が)多い。僕が会長になって秋田県警に会員名簿も出しています」
秋田犬保存会の回答
秋田犬保存会に事実関係の確認を求めると、以下のように回答した。
「(1) 今期で当会の副会長を勇退する川北氏と森氏はうどん店のオーナーとお客の関係であり、川北氏は森氏が指定暴力団員であるとは認識していなかったこと、川北氏は当会の展覧会において森氏と偶然会ったことはあっても、意図的に同行したことはないこと、川北氏が森氏と共に写真撮影したのは川北氏が副会長に就任する前のことであること、及び森氏は指定暴力団員であることが判明した一方、川北氏は密接交際者には該当しないことが、当会が調査により確認した内容です。
(2) 川北氏からの聴取や公益財団法人暴力団壊滅秋田県民会議への照会等の調査を行ったところ、(1)記載の事項を確認したため、川北氏に対して森氏と関わらないことを遠藤会長から要請し、現に川北氏は森氏が指定暴力団員であることを知った後は同人と関わっていないことから、川北氏に対する処分等はなされていないという経緯です。尚、当会は反社排除を徹底すべく、公益財団法人暴力団壊滅秋田県民会議の会員になり、常日頃から名簿提出によるスクリーニングチェックを受けており、且つ、この度改めて川北氏の反社該当性を個別に照会した結果、該当なしという回答を得ています」
秋田犬保存会を巡っては、 「週刊文春」2月24日号 で、保存会が主催する「本部展覧会」で不公平な審査が行われているとの指摘が相次ぎ、一般社団法人法違反の疑いがある実態などを報道。 「週刊文春」3月3日号 では、代表理事の遠藤氏が選挙区の有権者に高額な秋田犬を違法寄附している疑いがあることも報じている。
そうした中、新たに明るみに出たのは、高い公益性が求められ、税制上の優遇措置も受けている公益社団法人の副会長が、暴力団組長と密接な交際をしていた疑惑だ。
実は、秋田犬を抱いた森氏と川北氏の写真については、秋田犬保存会の総会でも問題視されていた。その時、代表理事の遠藤氏はどう対応したのか。3月2日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」及び3月3日(木)発売の「週刊文春」では、川北氏や森組長の人物像、写真の存在が問題視された総会での遠藤氏の対応ぶり、遠藤氏との詳しい一問一答などについて詳報している。